起業するにあたり、会社設立や営業、マーケティングなどに追われてなかなか商標登録までは気が向かないという方は多いのではないでしょうか。でも、商標登録を後回しにしていると、不意に取り返しがつかないような痛い目に遭う可能性もあります。そこで、元起業家の弁理士だからこそ語れる、そんなことにならないために心がけてほしいことを3か条にまとめてみました。

keyboard

1.まず、自分が起業する業界で同一の商標が使われていないか確認!

事業計画書を書くときなどにインターネットなどで競合調査を行いますよね。有名どころが似たような商標を使っていたら危ないというのはおわかりになると思います。

今回は、そこから少し調査範囲を拡張して、「自己の取り扱う商品・サービスの一般名称」と「自分が使いたい商標」をAND検索してみてほしいんです。たとえば、「リンゴ ABC」のような感じです。それで出てこなければとりあえずは第一段階クリアです。ただ、インターネット検索だと類似の商標や使われていないけど登録されている商標などやっかいなパターンを見つけるのは難しいので、これだけで安心することはできません。

2.できれば、起業前に商標登録可能かどうかを確認!

いざ商標を使い始めてから変更するというのはリスクが大きいものです。それまでにお客様に覚えていただくための広告宣伝などの努力は水の泡になってしまいますし、商標を変えたことを浸透させるまでにも多大な労力を払うこととなります。

よって、できれば起業して本格的な営業活動を行う前に、同一・類似の商標が登録されていないか調査を行うことが重要です。それで問題ないとの判断が出れば、とりあえずは安心して使うことができますし、問題があるようでしたら、広告活動を行う前に商標を変更することで無駄を出さずに済むからです。

3.ベストは、起業後いち早く商標出願してしまうこと

もちろん、商標出願にかかる費用をねん出することができるのであれば、いち早く出願してしまうのがベストです。なぜなら、調査の結果問題がなくても、貴社の商品を見ていいなと思った同業他社が、貴社が商標出願していないのに乗じてその商標を先取り出願してしまう可能性は否定できないためです。ほかにも、誰もが使いたくなるようないい商標というのはやはり他の業者も思いつくし狙いますので、いち早く商標出願するのがベストです。

まとめ

私も個人事業主として起業していたことがあるので、商標に対する意識が後回しになってしまうのはわかります。ただ、多くの起業家さんと接しているうち、実際に先取りされてしまった事例だとか、思い入れのある商標が登録されていて手放さなくてはならなかった事例だとかを聞くようになり商標の必要性をお伝えするのが元・起業家の商標専門弁理士の役割なのだなと自覚するようになりました。

熱意のあるベンチャー・スタートアップの方はぜひ弊所にサポートさせてください!ベンチャー・スタートアップ割引なども用意しております。


The following two tabs change content below.
弁理士 高橋 伸也
早稲田大学政治経済学部経済学科卒。外国商標やマドプロに強い商標専門のフルブルーム国際商標事務所所長。日本弁理士会の海外支援委員会・貿易円滑化対策委員会委員。業界紙やWEBメディアなどで寄稿多数。 自身の起業経験及び外国商標実務の経験から、ベンチャー・スタートアップ支援と海外進出支援に力を入れているほか、助成金の活用も積極提案している。