日本で使っていた商標が盗まれるというニュースでも、また、海外進出先としても日本企業と切っても切れない中国ですが、中国に商標出願する際に気をつけたい指定商品・指定役務についての注意点を3つほど挙げてみたいと思います。(参考:中国での商標登録の基礎知識

1.基本的には、中国の類似商品及び役務区分表に従った表記で

拒絶を避けるためにも、基本的には、中国類似商品及び役務区分表に従った表記が好ましいと思われます。原則クラスヘディングをはじめとした包括的な表現は認められていません。また、新しい商品やサービスなどの場合には、それらの商品等に関する説明を付することで認められる可能性があります。

2.一部のみが拒絶対象となる場合、部分拒絶となります

指定商品・役務のうちの一部のみが拒絶対象となる場合には、その部分のみが拒絶とされ、それ以外の部分は登録査定となります。この点、日本では一部にでも拒絶対象が残っていると全体が拒絶されてしまうというように制度が異なるので要注意です。

3.小売等役務は一部のみ許されています

小売等役務については2013年に医薬品関係にのみ認められることとなり、特例期間には多くの出願が集中しました。今後、他の小売についても認められていく可能性はあるので、中国商標の最新情報を得ておく必要があります。

ただし、日本と異なり医薬品自体と医薬品の小売りは非類似とされるようですので、そのへんも理解した上で出願の必要性につき検討するのがいいかと存じます。

まとめ

以上のように、日本と同じような制度だと思って考えるといろいろなところでつまづいてしまいかねません。日本との違いをよく理解している弁理士に依頼するようにするのがよいでしょう。

中国の商標登録出願についてのご相談は、外国商標登録やマドプロに強い、商標登録専門のフルブルーム国際商標事務所へ。


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弁理士 高橋 伸也
早稲田大学政治経済学部経済学科卒。外国商標やマドプロに強い商標専門のフルブルーム国際商標事務所所長。日本弁理士会の海外支援委員会・貿易円滑化対策委員会委員。業界紙やWEBメディアなどで寄稿多数。 自身の起業経験及び外国商標実務の経験から、ベンチャー・スタートアップ支援と海外進出支援に力を入れているほか、助成金の活用も積極提案している。