米国商標の基礎知識でもご紹介しましたが、米国では使用主義を採用しているので、使用していない商標は保護されません。それを制度面で担保しているのが、使用宣誓書という制度です。使用宣誓書は、以下の三つのタイミングで求められることになります。

1.出願~登録時

米国出願には何らかの基礎が必要であるというお話はいたしましたが、基礎として①使用又は②使用意図を選んだ場合には、使用宣誓書の提出が求められます。①使用を基礎とした場合は出願時からオフィスアクションへの応答時まで、②使用意図を基礎とした場合には登録査定後6月(6月毎に5回延長可)の間に提出する必要があります。

一方、外国出願・登録を基礎とした場合には登録時の使用証拠提出は免除されてます。

2.登録から5年経過時~6年目末の間

このタイミングでの継続使用の宣言書提出にあたり気をつけなくてはならないのは、出願時に使用宣誓書の提出義務がなかったマドプロ経由の場合や、外国出願・登録を基礎とした場合にも提出義務があるということです。さらに注意しなくてはならないのは、マドプロの場合、国際登録日から5年ではなく、米国での保護認容の日が起算点となるという点です。

また、一定の要件を満たすことで、同時に不可争性についての宣言書(15条宣誓書)を提出することもできます。

3.更新手続時(登録から9年経過時~10年目末の間、その後10年ごと)

米国は使用主義の国なので更新時にその使用について使用継続宣言書を提出する必要があります使用しているからこそ保護に値するという米国ならではの発想ですね。

4.まとめと余談

使用宣誓書については使用証拠の選び方もさることながら、提出時期の管理も手間であり、特にマドプロ利用の際には煩雑になります。不提出によって失効させてしまってはあまりにももったいないですので、特許事務所に管理を任せるのが理想的であるように思います。

米国の商標登録出願・使用宣誓書提出についてのご相談は、外国商標登録やマドプロに強い、商標登録専門の国際商標事務所へお問い合わせください。


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弁理士 高橋 伸也
早稲田大学政治経済学部経済学科卒。外国商標やマドプロに強い商標専門のフルブルーム国際商標事務所所長。日本弁理士会の海外支援委員会・貿易円滑化対策委員会委員。業界紙やWEBメディアなどで寄稿多数。 自身の起業経験及び外国商標実務の経験から、ベンチャー・スタートアップ支援と海外進出支援に力を入れているほか、助成金の活用も積極提案している。