使用宣誓書・使用証拠のキソ(提出時期編)に引き続き、今度は使用宣言書とともに提出する使用証拠についてお話ししたいと思います。

US certificate

1.使用とは?

使用は、誠実な使用である必要があります。つまり、商標権を維持しようと思って形式的に使用してそれを証拠とすることはできないということです。また、連邦登録に関しての使用なので、州内取引は対象となりません。また、仮に使用してないのに使用していると宣誓してしまうとフロードであるとして登録の取り消しのリスクがありますので十二分に注意していく必要があります。

2.使用証拠となるもの

商品自体に商標が付されていれば一番わかりやすいですし、ラベルやタグ、容器などに付されていてもOKです。最近多いのがインターネット上で販売している場合のウェブサイトを証拠とするケースですが、こちらは直接的に関連していれば使用証拠としての要件を満たすものの、逆に言えばその関連性が不明確だと使用証拠として認められないことになりますので、事前に弁理士に十分相談するのが安全です。

一方、サービスについての商標は、インボイスや広告、ウェブサイトに関連がわかるような形で商標が用いられていれば十分です。

3.その他留意点

一つは、商標登録されている商標と、実際に使用されている商標が実質的に同一である必要があります。つまり、ある程度の差異は認められますが、大きく違うと難しいということです。こちらも、現地代理人に事前に見解をとっておくのが好ましいと思います。

もう一点、どの商品について使用証拠を提出するかという問題ですが、基本的には1区分につき1証拠で足ります。しかし、1区分内に関連性の低い商品群が指定されている場合は、それぞれ使用証拠が要求される可能性があります。

4.まとめと余談

使用証拠というと日本においては不使用取消審判において問題になるくらいで、権利者の方にはあまりなじみのある概念ではないと思われます。現地代理人のアドバイスや見解を踏まえながら、適切な使用証拠を準備するのが好ましいですね。

米国の商標登録出願・使用宣誓書提出についてのご相談は、外国商標登録やマドプロに強い、商標登録専門の国際商標事務所へお問い合わせください。


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弁理士 高橋 伸也
早稲田大学政治経済学部経済学科卒。外国商標やマドプロに強い商標専門のフルブルーム国際商標事務所所長。日本弁理士会の海外支援委員会・貿易円滑化対策委員会委員。業界紙やWEBメディアなどで寄稿多数。 自身の起業経験及び外国商標実務の経験から、ベンチャー・スタートアップ支援と海外進出支援に力を入れているほか、助成金の活用も積極提案している。