フルブルーム国際商標事務所の基礎知識シリーズです。今回は、オーストラリアの商標制度の大枠や特徴的な部分を三つのポイントに絞って解説いたします。

flag of australia
photo credit: Perth scene via photopin (license)

1.スピーディな審査

出願後、オーストラリア特許庁から何らかの通知が来るまでの期間は平均3か月、しかも、早期審査制度を利用すれば1か月前後で審査結果を得ることができますまた、出願公開も出願後数日程度でなされるとのことですので、最近審査の早期化が進んでいる日本と比べてもきわめてスピーディな審査が行われていると言えます。

2.クラスヘディング等の包括表示を受け入れます

オーストラリアでは、日本では認められていないクラスヘディング表示が認められています。もちろん、包括表示も認められており、この点については緩やかと言えるでしょう。ただし、クラスヘディング表示をしたからといってその類のすべての商品について保護が受けられるとは限らず、クラスヘディングから解釈できる範囲内とする判断も出たりしているので注意が必要です。

3.マドプロ(商標の国際登録出願制度)が利用可能です

オーストラリアはマドプロには加盟しており、マドプロを利用することができますしたがって、オーストラリア以外の国々にも事業を拡大していく、また、進出済みといった場合には基本的にはマドプロを利用するのがいいと思われます。英語圏ですし、制度も標準的なので、暫定的拒絶通報への対応も行いやすいと思われます。

オーストラリアでの商標登録のまとめ

上記3ポイントを踏まえますと、日本企業にとってはかなり出願しやすい環境が整っているのではないかと思います。ただ、商標権の存続期間が出願から10年である点や付与前異議申立制度を採用している点などの相違点もありますので注意が必要です。

もちろん、弊所にご相談いただければマドプロでも、直接出願でも安心・高品質なサービスでオーストラリアでの商標登録を誠心誠意サポートいたします。

オーストラリアの商標登録出願についてのご相談は、海外商標登録やマドプロに強い、商標登録専門事務所へ。


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弁理士 高橋 伸也
早稲田大学政治経済学部経済学科卒。外国商標やマドプロに強い商標専門のフルブルーム国際商標事務所所長。日本弁理士会の海外支援委員会・貿易円滑化対策委員会委員。業界紙やWEBメディアなどで寄稿多数。 自身の起業経験及び外国商標実務の経験から、ベンチャー・スタートアップ支援と海外進出支援に力を入れているほか、助成金の活用も積極提案している。