フルブルーム国際商標事務所の基礎知識シリーズです。今回は、ブラジルの商標制度の大枠や特徴的な部分を三つのポイントに絞って解説いたします。
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1.一出願一区分制度
日本との最大の違いはここでしょうか。一出願で一区分しか指定できないので、多区分にわたる場合は複数出願せねばならず、代理人費用、印紙代共にどうしても割高になり、管理の手間も増えてしまいます。
2.審査期間がかなり長い
いろいろと改善策は打ち出しているようですが、現在でもブラジル特許庁から最初の通知が来るまでに2~3年程度かかると言われています。また、拒絶理由通知を受けると商標登録までにさらに時間がかかることになります。こうしたことを踏まえると、出願前調査は必須であるように思われます。調査せずに拒絶査定を受けてしまったら、また2~3年ほどかけて出願し直さなければならなくなり、事業機会のロスや膨大なリスクが発生してしまいます。
3.マドプロ(商標の国際登録出願制度)が使えません
審査期間の長さともからむところですが、ブラジルはマドプロに加盟しておらず、日本の特許事務所を経由してブラジルの現地代理人に直接出願するのが最もポピュラーなルートとなっています。マドプロ加盟国が増加している中、一括管理や出願費用の節減などのマドプロの恩恵を受けることができないのは厳しいところです。
ブラジルでの商標登録のまとめ
上記3ポイントからもお分かりの通り、制度面でもその運用面でもかなり権利を取得しづらく、費用もかかってしまう国です。日本と距離があるがゆえに日本企業の出願数もさほどではないとはいえ、今後新興国の一角として確実に成長し、世界市場の一端を支えていくことを考えると、権利取得まで時間がかかることを見越して早期に出願しておき、営業を開始するまでには商標登録が完了しているようなイメージでいければベストだと考えます。
一出願一区分制なので代理人費用を抑えたい一方、プロフェッショナルな仕事をする代理人探しが難しいのも事実です。弊所にご相談いただければ国際的な代理人ネットワークからお勧めされた信頼できる現地代理人を通した安心・高品質なサービスで韓国での商標登録を誠心誠意サポートいたします。
ブラジルの商標登録出願についてのご相談は、海外商標登録やマドプロに強い、商標登録専門事務所へお気軽にご相談ください。
弁理士 高橋 伸也
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