フルブルーム国際商標事務所の基礎知識シリーズです。今回は、台湾の商標制度の大枠や特徴的な部分を三つのポイントに絞って解説いたします。
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1.中国語がキーポイントに
皆さんご存知の通り台湾は漢字文化圏です。商標はそもそも商品を識別する標識であり、台湾の消費者が目印として理解できるものでないと意味が半減してしまいますので、基本的には台湾の方々にとって読みやすく、覚えやすい中国語に訳した商標を出願するのが第一だと考えます。もちろん、カタカナ、ひらがなや英語も出願可能で、日本で使用しているものは出願しておくのがベストですが、台湾の消費者が読むことができない可能性があるので、私たちがなじみのない外国語を認識するときのように、意味のとれない一種の図形のような扱いとなり、権利範囲が狭くなってしまいます。
また、願書はすべて中国語であり、出願人名称として社名も記載しますが、ここもよい意味に取れるような良い中国語訳を使いたいところです。既に訳が決まっていれば問題ありませんが、そうでない場合は商標出願を機に社名・商品名共に良い意味が込められた中国語訳を用意するといいでしょう。
3.代理人は日本のクライアントを厚遇してくれます
台湾の親日的な国民感情はすでに皆さんご存知の通りです。それに加え、台湾の出願数における日本企業の比率は大きなものですので、大きな事務所は日本語対応しており、日本のクライアントはとても厚遇されます。韓国同様、東アジア特有の勤勉な業務態度は日本と共通するところがあり、丁寧かつ迅速な仕事をしてくれる事務所が少なくありません。
3.マドプロ(商標の国際登録出願制度)が使えません
マドプロには未加盟であり、台湾ではマドプロが使えません。したがって、日本の特許事務所経由で台湾の現地代理人に依頼して権利取得する通常のルートを採ることになります。なお、WTOには加盟しておりますので日本出願を基礎とした優先権主張は可能です。
台湾での商標登録のまとめ
上記3ポイントを踏まえますと、中国語対応が必要で、マドプロも利用できないので直接出願するほかないという事情はありつつも、直接出願する先の事務所が親日的ですので、日本企業としては馴染みやすいものと思われます。制度的にも、同意書制度や権利不要求制度があるなど日本と異なるところもありますが、基本的な骨格は日本と同じです。
もちろん、弊所にご相談いただければ信頼できる現地代理人を通した安心・高品質なサービスで台湾での商標登録を誠心誠意サポートいたします。
台湾の商標登録出願についてのご相談は、海外商標登録やマドプロに強い、商標登録専門事務所へお気軽にご相談ください。

弁理士 高橋 伸也

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