キャラクター・ゆるキャラって商標登録した方がいいんですかね?というのはよくある質問ですが、以下の3つのポイントを押さえておくとその判断がしやすくなると思います。なぜキャラクター・ゆるキャラの商標登録をすべきか、弁理士が3つのポイントを教えます。

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 1.著作権よりも商標権の方が使い勝手が良い

キャラクター・ゆるキャラの人格などは保護されないものの、キャラクター・ゆるキャラの具体的な表現・デザインなんかは著作権の保護対象となります。では、商標登録は必要ないかというとそんなことはなく、著作権は依拠性(こちらのデザインを参考に作った旨)が要件の一つとなっているので、たまたま似たようなデザインになった旨主張されると難しい面があります。

また、著作権は無方式主義(登録などを要しない)なので、どちらが先に制作したのかで水掛け論になる可能性があります。著作権は発生も簡単ですが、その分権利行使に手間がかかるということです。

一方、商標登録しておけば、商品関係が同一・類似で、登録されたキャラクターと同一・類似であれば、こちらのデザインを参考にしているか否かに関係なく権利行使することができます。また、少なくとも出願時にはキャラクターが存在したことが証明できるので、著作権上の保護を受ける上でも有利です。

2.商品・サービスとの関係で独占権が発生します

著作権は著作物たるキャラクター・ゆるキャラのデザインに対し権利が発生していますが、商標権は商品・サービスとの関係で権利が発生します。そこで、キャラクター・ゆるキャラを商品化してライセンスビジネスを展開するような場合に、商標権は欠かせない存在となります。商品化にかかわる商品群については商標登録を取得しておくのが好ましいと言えます。

逆に言えば、商品・サービスとの関係でそのキャラクターを使用しないのであれば、商標登録によって保護するメリットは小さくなるものと思います。(商標登録していますという事実をもって信用を高めたり、自分では使わないけど第三者にも使われたくないという場合には、商標登録をする意義は大いにあると思います。

3.キャラクター名を商標登録しておくと強い

キャラクター自体の代表的なデザインはもちろん商標登録しておくのがよいですが、それ以上に、キャラクター名・ゆるキャラ名を商標登録しておくと効果的です。たとえば、くまをモチーフとしたキャラクターはこの世にたくさん存在しますが、その中でもくまのプーさんやリラックマ、ケアベアなどの有名なブランドキャラクターだからみんながこぞって買うのであって、それと似ていてもリラックマ等でなければ買わないわけです。

そこで、模倣品業者としてもキャラクター名を使いたくなるのですが、キャラクター名を登録しておけば、そういう模倣行為を叩くことができるようになるわけですもちろん、他者に先取りされてしまうリスクもあるので、その意味でもキャラクター名の商標登録は必須であると言えます。

まとめ

 キャラクターデザインやキャラクター名の商標登録をしておくことはキャラクター・ゆるキャラのブランド価値を守っていき、高めていくためには非常に重要だと思われます。もちろん、1年に1万円ちょっと~の費用はかかりますが、それで上に書いたようなさまざまなメリットが得られるのであれば費用対効果はとても高いものと思います。

キャラクター・ゆるキャラなどの商標登録は商標登録専門の弁理士にご相談ください


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弁理士 高橋 伸也
早稲田大学政治経済学部経済学科卒。外国商標やマドプロに強い商標専門のフルブルーム国際商標事務所所長。日本弁理士会の海外支援委員会・貿易円滑化対策委員会委員。業界紙やWEBメディアなどで寄稿多数。 自身の起業経験及び外国商標実務の経験から、ベンチャー・スタートアップ支援と海外進出支援に力を入れているほか、助成金の活用も積極提案している。