フルブルーム国際商標事務所の基礎知識シリーズです。今回は、商標の国際登録出願制度であるマドプロ(マドリッド・プロトコル)の管理の大枠や特徴的な部分を三つのポイントに絞って解説いたします。

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1.事後指定で国や指定商品・役務を追加できる

マドプロの便利なところは、権利者のビジネスの発展に合わせ、指定国を追加していくことができるところです。また、国際登録の範囲内であれば後に指定商品・役務を追加することもできます。注意すべきは、事後指定の場合はあくまで事後指定日が基準となり先後願が判断されるという点です。また、インドやフィリピン、トルコなど、マドプロ加盟前の国際登録に基づいては事後指定できない旨宣言している国が存在する点も注意が必要です。

商標・ビジネス戦略の変化に柔軟に対応できる良い制度ですね。

2.更新が一括で出来ます

直接出願の場合ですと、各国特許庁に納める印紙代のほか各国の現地代理人に手数料を払って各国ごとに更新しなければならなかったところ、国際登録出願の場合には各指定国への更新手続きが一括で済んでしまいます。これは費用の意味でも手間の意味でも大きなメリットであると言えるでしょう。

3.名義変更や名称・住所変更も一括で出来ます

名義変更や名称・住所変更についても一括で行うことが可能です。更新の場合同様、本来なら大きな手間がかかるところが一つの書類で完了してしまうのは大きなメリットです。

マドプロの基礎知識【管理編】のまとめ

指定国の追加も容易で、更新・名義変更等の管理も容易ということで管理という観点から見るとマドプロはいいことづくめということが言えるのではないでしょうか。別ページでご紹介いたしますデメリットなどはよくよく意識していただく必要があるのですが、それを踏まえた上であれば海外進出をお考えの日本企業様には是非マドプロをご検討いただきたいと思います。

もちろん、弊所にご相談いただければリーズナブルかつ安心・高品質なサービスでマドプロ出願を誠心誠意サポートいたします。

マドプロ出願(マドリッド・プロトコル出願)についてのご相談は、マドプロ出願に強い、商標登録専門のフルブルーム国際商標事務所


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弁理士 高橋 伸也
早稲田大学政治経済学部経済学科卒。外国商標やマドプロに強い商標専門のフルブルーム国際商標事務所所長。日本弁理士会の海外支援委員会・貿易円滑化対策委員会委員。業界紙やWEBメディアなどで寄稿多数。 自身の起業経験及び外国商標実務の経験から、ベンチャー・スタートアップ支援と海外進出支援に力を入れているほか、助成金の活用も積極提案している。