フルブルーム国際商標事務所の基礎知識シリーズです。今回は、インドの商標制度の大枠や特徴的な部分を三つのポイントに絞って解説いたします。

flag of india
photo credit: Consulate General of India – Augusta Street – Jewellery Quarter via photopin (license)

1.先使用主義を採用してます

インドは先使用主義を採用してます。具体的には、出願の時点で使用開始日を申告し、最先に使用を開始した出願人に登録が認められます(使用意思に基づく出願の場合は、出願日が基準となります)。これは、イギリス連邦の一員ということもありコモンローの流れをくんでいるためと言えます。なお、マドプロ(商標の国際登録出願)の場合には願書を出すと使用意思があると宣誓したものと取り扱われます。

2.コモンローやPassing Off(詐称通用)

上述したようにコモンローの国なので、インド国内において現実に使用されていればコモンロー上の保護を受けることが可能です。また、詐称通用(第三者が不当にある取引者の表示を用い、ある取引者の当該表示に化体したグッドウィルを損なうこと)も不当な使用に対する対抗措置としてよく使われ、当該表示が商標として未登録でも主張できる点がメリットですが、その一方、第三者の使用が誤認混同を起こしている点等を主張立証するのが原告側にあるというのがやや難しいところです。

3.時間がかかる国

各国商標の審査スピードはどんどん速くなってきているのですが、インドではまだ最初の通知まで1年半から3年程度かかるということで手続きに時間がかかってしまいます。一方で、上述したように実際の使用が重視される国ですので、そちらに関する証拠を丹念に確保しつつ、出願を進めていくことになります。

インドでの商標登録のまとめ

上記3ポイントを踏まえますと、米国などと同様、日本と根本的に制度面(特に権利行使の面)で相違があるため、信頼できる現地代理人を選ぶことが重要です。インドの場合は英語圏ですが、Writingについては高尚なイギリス英語を使用する傾向があり、Speakingでは早口のインド英語だったりと個性があるのでコミュニケーション上注意が必要です。

もちろん、弊所にご相談いただければマドプロ経由でも直接出願でも安心・高品質なサービスでインドでの商標登録を誠心誠意サポートいたします。

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弁理士 高橋 伸也
早稲田大学政治経済学部経済学科卒。外国商標やマドプロに強い商標専門のフルブルーム国際商標事務所所長。日本弁理士会の海外支援委員会・貿易円滑化対策委員会委員。業界紙やWEBメディアなどで寄稿多数。 自身の起業経験及び外国商標実務の経験から、ベンチャー・スタートアップ支援と海外進出支援に力を入れているほか、助成金の活用も積極提案している。