フルブルーム国際商標事務所の基礎知識シリーズです。今回は、フィリピンの商標制度の大枠や特徴的な部分を三つのポイントに絞って解説いたします。

flags of philippines
photo credit: Philippine Flags via photopin (license)

1.実際の使用に関する宣誓書

フィリピンの商標制度上最も特徴的なのが、実際の使用に関する宣誓書(Decralation of Actual Use)です。これは、出願から3年以内(6か月の延長可能)と、登録から5年経過後1年以内に使用証拠を添えて提出するものです。これらを提出しないと登録が抹消されてしまいます。米国の使用宣誓書制度と似てますね。

2.マドプロ(商標の国際登録制度)が使えます

他の東南アジア諸国が加盟に向けて四苦八苦している中、フィリピンは2013年にマドプロ加盟を果たしており、日本企業には出願しやすい環境が整っています。一方で、1.で述べた使用宣誓書に関してはマドプロの場合でも提出義務がありますので特に注意が必要です。

3.審査期間で見ても優秀、さらに優先審査制度あり

登録までだいたい1年半ちょいということで東南アジアの国々の中では優秀な方ですし、優先権出願は審査においても優先されます。また、優先審査制度があり、一定の要件を満たす出願は優先的に審査されます。マドプロ加盟しているだけあり、先進国とまでは言わないまでも審査期間に関する取り組みは評価できるのではないでしょうか。

フィリピンでの商標登録のまとめ

上記3ポイントを踏まえますと、マドプロ加盟によりかなり日本企業にとっても出願しやすく、また、英語が使えるので進出についても比較的容易という恵まれた環境にあると言えます。一方で、使用宣誓書に関しては特殊な制度なのでぬかりなく対応する必要があります。

もちろん、弊所にご相談いただければマドプロでも直接出願でも安心・高品質なサービスでフィリピンでの商標登録を誠心誠意サポートいたします。

フィリピンの商標登録出願についてのご相談は、外国商標登録やマドプロに強い、商標登録専門事務所


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弁理士 高橋 伸也
早稲田大学政治経済学部経済学科卒。外国商標やマドプロに強い商標専門のフルブルーム国際商標事務所所長。日本弁理士会の海外支援委員会・貿易円滑化対策委員会委員。業界紙やWEBメディアなどで寄稿多数。 自身の起業経験及び外国商標実務の経験から、ベンチャー・スタートアップ支援と海外進出支援に力を入れているほか、助成金の活用も積極提案している。